自殺者の推移と『若きウェルテルの悩み』
内閣府による自殺の統計
自殺について思うところがあったので、述べます。
上記にあげました統計の写真は、
内閣府の自殺対策推進室によって昨日発表されたデータです。
こちらから見ることができます。http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/toukei/
写真を見て頂ければ分かる通り、
毎月、2000人強の人が自殺を行っていることが明らかになっており、
単純計算で、毎日平均60~70名の人が自殺を行っている。
そして写真をよくみていただくと分かるのですが、
自殺者が一番多かったのが平成23年度の5月です。(黄色の線です)
この月、特に20代から30代女性の自殺者が急増。
この理由について内閣府は「考えられる要因は、5月12日に起きたある有名女性タレントの自殺、と言うか、その自殺報道だ」と述べました。
いわゆるウェルテル効果、と呼ばれる現象です。
ウェルテル効果とは、マスメディアの自殺報道によって、それを模倣した自殺や、後追い自殺が増えることを言います。
その言葉の由来はゲーテ著の『若きウェルテルの悩み』(1774年)から。
主人公ウェルテルが恋をし、最後には自殺をするという物語に、当時多くの人が真似して自殺を図ったようです。
今日はこの本を読了しました。
自分で自分を殺す、自殺。
私は決して、自殺は他人事ではないと思っています。
ほとんど人が思ったことがあるんじゃないでしょうか。
「自分はなぜ生きているのだろう」という問い。
明確な答えなんて存在しないかもしれないその問いを、
どこかで曖昧にしているのが私たち人間なのかもしれません。
しかし誰しもがこの疑問をもつ可能性がある以上、
今もなお生きているというのは、たまたまに過ぎないと私は思っています。
ニュースで観られる、いじめによる自殺などは全くもって他人事には思えません。
著書に
「ウェルテルにとっては、自殺は単なる逃避ではない。自殺は人間の自由な意思の威厳を立証するためのものである」(p.207)
という解説があります。
いじめにおける自殺は、
「自ら選ぶ」という点に揺るぎない意思が存在しているように感じます。
いじめという暴力を前にすると、様々な選択肢が失われていきます。
生きていく主導権が自分に無くなっていく感覚。
圧倒的でどうしようもない暴力の中に、自分のアイデンティティを感じるようになる。
なぜ自殺なんてするのか、という質問は
それ以外に解決できる選択肢が自分の中に無かったからに決まっているじゃないか。
耐える、というのは何の解決にもならないから。
話が少し逸れました。
このことについてはまたの機会に述べたい。
***
とにもかくにも、
私は自分自身の「死」について考えるばかりで、
外側で起きている「死」についての思慮が足りなかったように思う。
少し、関連した本を読もうと思っている。
いじょう!