なんだい、あついのかい
と、カルピスを差し出して、猫に拒否された図。
文字をずっと見ていると
だんだんその文字が、その文字だと認識できなくなる現象。
俗にいうところの、ゲシュタルト崩壊っていうあれですが。
最近よく
人を見ていて
人間ってこんな形だっただろうか、と
思う。
通り過ぎる人。
通り過ぎていく人の顔や姿をすべてを見ることは当然していないわけで
漠然と、そこに「通り過ぎる予定の人」がいる、というふうに無意識に捉えている。
では、
それは人間なのか。
人間といっていいのか。
人間とは、4足歩行で服をきていて、スニーカーを履いていれば、いいのか。
今の私にとって
目の前の数多の人間とは、レース上の障害物に過ぎないのではないか。
そんなことを考えていると、
通り過ぎる予定だったであろう物体から
「こんにちはー」
と声をかけられた。
見ると、よく知った後輩だった。
私は後輩を物体と捉えていた。
嫌悪感が走った私は、その人に会釈だけした。
そろそろかしら。
いじょう!