仲条幸一のブログ

仲条が感じたり考えたことを書き連ねるブログ

お母さんに褒められたことないくせに

晴れた今日。

道路で遊んでいる仲が良い兄弟がいた。
お兄ちゃんは小学3年生ぐらいかな。弟は小学校に入るか入らないか、といった感じ。
片方がボールを、片方が野球のバットを持ってた。


僕はその道路沿いにあるアパートに用があった。

そのアパートの階段を上る途中、その兄弟の会話が聞こえてきた。

「お前が打ったボールなんだから、お前が取ってこいよ」

「なんでよ」

さっきまで仲が良かったはずなのに、戦慄が走るのを感じた。穏やかじゃない。


しばらく会話が小さい声になり、聞こえなくなった。

しかし数分後、また再度、声が聞こえる。

「生意気いうなよ!」

どうやらお兄ちゃんの方の声だ。

直後、もはや泣き声になっている弟が叫ぶ。

「お母さんに褒められたことないくせに!」

もはや、まったく関係ない。
これではもはや解決に向かうはずもなく。

さらにお兄ちゃんは
「褒められたことありますー」
とか張り合う始末。


見かねた私は、

「けんかはやめなさい」

と仲裁に入ることにした。

ちょうど、2人の間に入る形で。



するとお兄ちゃんは言った。

「ピザハットには関係ないだろ」



そうか、私は今、個人である前に、ピザハットであった。
個を滅して、一人の宅配ドライバーとして生きなければならない時間だったのだ。

感銘をうけた私は、それ以上、何もいうことなく、ピザバイクに乗ってその場を去ることにした。
数歩すすんで振り返ると、2人は野球ゲームを再開していた。
ちらちらとこちらを気にする様子が、なんとも、僕が悪かったような気持ちになった。



いじょう!