ギターが割れ、直した週末
ウィークエンドにはじまりを
私は、ギターは、人に自慢できるほど弾けない。
弾けるのは基本的なコードだけ。
中学の3年生くらいからギターをはじめた。
定番である最初の難関「F」のコードに何度も何度も挫折をし、
1年くらいかけて「F」が弾けるようになった。
普通は大体1ヶ月もかからないだろうから、
怠惰以外のなんでもない。
それ以来、弾けるようになったコードで、曲を作るようにすることで、
大体の基本的なコードを覚えていった。
簡単な弾き語りをするのには、ギターはとても便利な楽器で、
1万円くらいの安いギター(Sepia clue)を色々な所に持ち運んで、路上で弾きながら歌った高校時代。
そして高校3年生の頃、忘れもしない吉祥寺の楽器店で、
CRAFTERのML-ROSEというギターに一目惚れした。
音の善し悪しなんて、分からなかった私だけれど。
高校卒業後、中古で購入した。
それ以来、色々な所に持って行って、ギター弾き語りをした。
原付で広島まで行った時にも連れて行き、
名古屋や大阪、鳥取など色々な場所で歌った。
アメリカやイギリスに路上ライヴしに行った時にも持って行った。
デザインが良いですね、から路上で会話が始まったり、
アメリカでは警察に没収されて、交番までとりに行ったり、
色々なエピソードを持っている。
音の善し悪し以上の、思い出のギターである。
このギターのヘッドの部分が、今週、割れた。
前日の夜に弾いて、翌日の夜にまた弾こうとしたらこうなっていた。
ショックだった。
最近、また色々な所に持って行ってたこともあり、その際の何度も何度も倒してしまったダメージの蓄積が原因のようだった。
壊れることなんて考えもしなかった私は、なんて愚かなのだろうと思った。
色々工夫をして、直した。傷跡はやはり消せなかったけれど。
よくよく見てみたら、他の場所にも傷はたくさんあった。
とても申し訳のない気持ちになった。
チューニングをした。
割れた方向を考えて、半音下げのチューニング。
気のせいなのは100も承知だけれど、割れる前より、直した今の方が良い音に聴こえる。ほんとに。
愛着は耳を曇らせるのかもしれないけれど、
結局はそれに勝るものはないのかもしれない。