仲条幸一のブログ

仲条が感じたり考えたことを書き連ねるブログ

中里さん

大学の頃。
一番長く働いていたバイト先の先輩に、中里さんという変わり者がいた。
氏は様々な規準がおよそ一般の方とずれていて、
雨に濡れたくないからってビックスクーターを傘差しながら運転したり、
好きな女性に好きだって言えないけどバレバレにデレデレだったり、
簡単にいえばムードメーカーでありながらトラブルメーカーでもあるような、
そんなちょっとした変わり者であった。

私も氏に色々なことを教えてもらった。
原付の乗り方。
仕事のさぼり方。
吉祥寺のおいしいラーメン。
浦和のおいしくないラーメン。
たいへんお世話になりました。



氏は、常々雄弁していた。

俺は独立する、と。

氏は整体を学んでいて、
マッサージすることや、筋肉を矯正することに情熱を燃やしていた。
そして縁あって、去年の9月より個人経営をすることになり、
埼玉県の川越市で一人で独立した。


私は最近、アコーディオンの演奏上の負担から左肩の調子がわるく、
ついに先週、頭より上に腕が上がらなくなってしまった。

そこで、氏の運営する「むさしの接骨院」に今日行ってきた。



正直、不安だった。
人の身体を他人に任せるということの不安もあったがそれ以上に、あの中里さん。
診療に対する不安はあった。しない訳がなかった。

しかし、院に入ってすぐ見た中里さんは、
私がかつて知っていた中里さんではなく、
きれいな白衣を纏い、
ボロボロになるまで使い古したスニーカーを履く、
立派な(というのも失礼)先生だった。


患者さんが院に入ってきて言う「こんにちはー」に対して、
カーテンの中で診療をしているから誰が来たのか分からないはずなのに、
声を聴いただけで「○○さん、こんにちは。ごめんなさい、ちょっと待ってください」と中里さんが返す、この安心感。
私も診察を心地よくお願いでき、
気持ちよく診療を受けることができました。


あんなにボロボロなスニーカーがかっこいい人を初めて見た。
素敵な先生だ。
多くの人で賑わってほしい。

今、左肩の痛みはなくなりました。

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「むさしの接骨院」

埼玉県川越市砂1065-6
コモディイイダ(マルヒロ)の目の前

※保険証持参のこと
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いじょう!