仲条幸一のブログ

仲条が感じたり考えたことを書き連ねるブログ

沈水したダウンタウン

夢の話。




ミネラルウォーターに沈没させられた下町に、

忘れ物をしたという友人がいたので、

泳いで取りに行くことになった私。




ミネラルウォーターだから水の中でも目が開けられる。

だからそのまま水に飛び込んだ。



水の中は快適だった。

水の中は自由だった。

息もできた気がした。




潜りに潜った先には、沈没した町があった。

壊れた家。沈んだ車や椅子が、
なんとなく、きれいだなあと思った。



我にかえり、忘れ物を探そうとした。

しかし、そこで忘れ物が何だったのかを聞いてくるのを忘れてた。

やれやれと辺りを見渡した。

そこではっと気付いた。

きっとこの街は、これから忘れられる。
時間がたって、水が汚れて、きっと誰にも思い出されなくなる。
そうしてこの街は、死ぬ。
忘れられて、死んでしまう。


何分そこにいたんだろう。

もう息が苦しくなっていた。

息をしなければならない。

地上を目指して泳いだ。



浮かび上がると、
そこは何人もの人に囲まれていて、
浮かび上がった途端に爆笑が起こった。

どうやら忘れ物をした、というのは嘘であったらしい。



「忘れ物は見つかった?」

と聞かれた。

「ここには全てがある」

そう答えて、大きく息を吸い込んだ。




いじょう!