たまねぎカレー
今日は所用により、早く家に帰る。
今日の晩御飯は、たまねぎカレーであった。
カレーの具の8割がたまねぎ。
残りの2割がひき肉とじゃがいも、という攻撃的なメニューだ。
僕が、この世で一番嫌いな食べ物。
それは間違いなく、たまねぎである。
しかもそれを母親は知ってる上で、それを作る。
いつもだったら作ってもらう手前もあり、何も言わないが(何もいわず、たまねぎだけ避けて食べる、という意味)
今日という今日は、言った。
なぜ、たまねぎを入れるのか、と。
それに対して母親はいう。
「それは君の偏見だ。
たまねぎは栄養もあるし、血液をさらさらにするから食べなさい。(私の母は、家庭科の免許を持っている)」
この常套文句は、おそらく子供のころから数えて、100回以上は説かれたであろう。
生まれながらに人は善である、という性善説と。
生まれながらに人は悪である、という性悪説。
日本では主に性善説を。
諸外国では性悪説をとられることが多い。
性善説では、子供は基本的に善であるため
生まれながらに持っている善に訴えるような教育活動が主だ。
それに対して性悪説は、子供は基本的に悪であるため
強制を伴って、人間として矯正していくような教育活動が主になる。
私の母も当然、性善説に則った教育を私に行う。
たまねぎには栄養がある、という善。
このことを私が本当の意味で認識できれば、
元が善である私は、当然その善を受け入れる、という考え方だ。
私は性善説も性悪説も、どちらも肯定するつもりはないが。
こんな時ばかりは思う。
私は、そのような損得勘定で森羅万象を考えているのではない、と。
たまねぎを食べることが人間であることの条件ならば
私は人間を辞めます、と。
言いたい。
しかしそれを母親に言っても仕方ないので
「たまねぎを料理にいれる人とは結婚しない!」
が今日の私の捨て台詞であった。
いじょう!