卒業式が終わったので、私のことについて書く。
進級、卒業おめでとう。
本年度もご縁があり、小学校と中学校で音楽の授業を教える機会を頂きました。
小学校は2度目だったけれど、中学校は初めて。
音楽は楽しむものであること。そして音楽は芸術であり、表現であること。
それ以外にも、どうやったら飽きずに授業を聞いていてくれるか。
当然ながら、自分が演奏することと、教えることは全く違う世界です。
小学校と中学校の差(体格や、話言葉)も大きいものだと実感しました。
試行錯誤した年でしたが、それも今週、無事に最後の授業と卒業式が終わり、
今は一段落ついた所です。
今回、このようなことを改まって書いていることには理由があります。
以下、少々長いですが、仲条幸一として音楽活動をしていることについてを書きます。
私のライヴに興味のある方は是非一読をお願いします。
なぜ、歌わなかったのか
まず、このブログを読んでいる方に断っておきたいのですが、
私は自分から「普段は自分の音楽活動をしているんだよ」なんて子どもには言いません。当たり前ですが。
後にも書きますが、公にするようなことでもないからです。
しかしながら、このインターネットが普及した時代において。
私が何も言わないのにも関わらず、子どもは自ら興味を持ったことについて、インターネットで調べる時代です。(怖い世の中ですが、そうやって興味をもって調べることは否定されるものではないと思っています)
そこで発見された私の歌のミュージックビデオ「東京アセスメント」は、多くの子が歌詞を覚えるまで聴いてくれました。
全く予想もしていなかったこの展開は、実は本当に嬉しいことでした。
学校で「あの歌、聴いたよ」と聞かれても、多くの子には、あれは私の歌ではない、と言い続けました。
それでも内心は、
「歌詞を覚えてくれるということは、果たしてどれだけ聴いてくれたんだろう」とか、
「あの映像のあんな細かいところによく気付いてくれたな」とか、
本当は嬉しいことでした。ありがとう。
しかし困ったことにもなりました。
それは、学校(主には中学校)で
「先生、東京アセスメント、歌って下さい」
という言葉を聞かない日がなくなった、ということです。
当然ながら、やるわけにもいきません。
「やらないよ」「あれは違う人です」「ピアノ弾けません」、、、
色々な理由を言い続けました。
多分、そのうち諦めてくれるだろう、と。
そう思って、ひたすら歌うことを避け続けました。
なぜ歌わなかったのか。
答えは簡単です。
歌いたくないのでなく、歌うべきではないからです。
お察しの通り、私はまだ一人前ではありません。
自分の音楽でご飯を食べている状況にはありません。
すなわち、音楽表現活動だけでは、お金を十分に稼ぐことができていません。
だから楽譜を作る仕事や、音楽に全く関係のない販売の仕事をしたりもしています。
そんな私が、自慢気に
「俺、実は音楽やってるんだ。みんな、俺が作った歌を聴いてくれ」
なんて言えるでしょうか。
言えません。無理です。
ただ、ここで誤解して欲しくないことがあります。
自分の音楽活動でご飯が食べれてないから、仕方なく教えているなんてことも思ったことはありません。
むしろ、日々の子どもの成長に寄り添うことができたことは単純に楽しく、
授業や、音楽会や、合唱コンクールなどの行事を通じて、私もまた音楽体験することが出来ることは、毎回毎回、貴重な経験でした。
だから私は、今の自分にできる限りの面白い音楽の授業をするつもりで授業に取り組みました。
歌いたくはない、よりは、歌うべきではない。
担任の先生ならまだしも、私は講師。
ましてや授業に関係ない。
そう、私は考えていました。
しかしそれでも、私の歌が聴きたい、と。
クラスで団結して、私に歌わせざるを得ない熱意を形にしてきたクラスもありました。
あそこまでの熱量をぶつけられる経験もはじめてでした。
一生忘れられない経験をしたと思います。
最後に「ライヴを観に行く!」と言ってくれている子へ
私がこのようなことをブログに書いていることの理由がもう一つあります。
それは嬉しいことに、ライヴ絶対観に行く!といっている子がいる、ということです。
中には軽口ではなく、この子、本気で言ってくれてるな、という子もいます。
これはとても嬉しいことです。
しかし同時に心配でもあります。
軽口で言っている子も、友達同士のノリで、「今日、仲条のライヴ行ってみようぜ!」という話になることは、おおいにあり得る気がしてなりません。
それらを止めることはほぼ不可能だと思います。
そこでお願いです。
ライヴに来てくれる場合は、
どうか、保護者の方と一緒に来てください。
ライヴは基本、夜です。出番によっては20時や21時に演奏、なんてことがあります。
最近のライヴハウスは治安が良くなったとはいえ、その最寄り駅からの道中は、夜だったらやはり危ないです。
ライヴハウスというよりは、その行き帰りがとても心配です。
だから、来てくれる子へ。
どなたか必ず、大人の方と一緒に来て下さい。
そして、必ず来る前に私にメールを下さい。
メールアドレスはこれです。
nakajokoichi@gmail.com
それだけ守ってくれれば、中学生に普通と同じ入場料を払え、なんて言いません。
ライヴハウス側と検討します。(もちろん出来ない場所もあるでしょうけど)
来てくれること、足を運んでくれることは、とても嬉しいことです。
だからこそ、何の連絡もなしに来てくれるのではなく、お願いですのでメールをひとつ送って下さい。
どうか、お願いします。
しかし、私が音楽活動をしていたからこそ、みんなが私に興味を持ち、音楽を好きになってくれたり、こういう音楽もあるのかと思ってくれたというのであれば。
それは結果的には良かったのだと思います。多分ですが。
今となっては、「東京アセスメント」が一つのつながりをもった歌に変わりました。
それは、音楽に感謝をするばかりです。
***
最後になりましたが、
私のピアノを、音楽の指導を、認めて下さった方々に感謝を。
より精進して、邁進いたします。
おかげさまで、子どもとの音楽の日々、とても充実していました。
ありがとうございました。
仲条幸一