仲条幸一のブログ

仲条が感じたり考えたことを書き連ねるブログ

「世界は恋に落ちている」のピアノを弾いて気付いたこと

「世界は恋に落ちている」をピアノで弾いてみましょう

この曲、ピアノで弾いてみて下さい!と言われることが多いので、弾いてみることにしてみた。ニコニコ動画ではたくさんのカバーが公開されていて、その人気の高さが伺える。さわやかな青春ソング。走り抜けるような作曲、さすがhoneyworksさんだなあと思います。

今回ピアノ一本でアレンジして弾くに辺り、どのような手順や心持ちで弾いたのかをつらつら後述しますが、そんなの興味ないよ!という人は、ぜひ私のピアノだけでも聴いて行って下さい。

さて

ポピュラーソングを弾いてみようと思った時に、私は基本、楽譜は買いません。その理由は次の二つ。

①よほど難解でない限り、耳コピができるから

②楽譜通りに弾いても面白くないことが多いから

 

まず①、ポピュラーミュージックはそんなにコード進行が複雑ではありません。私のように絶対音感がない人でさえ、ルート音さえ聞こえてしまえば、大体はコードが取れてしまいます。さらに最近は、コード進行を簡単にインターネットで検索できてしまうので、伴走を作ることは簡単だからです。

難点は、メロディー譜。いちいち音符を書き起こすとかなり時間がかかるので、その歌のメロディーを覚えるまで聴く作業をします。1番と2番では若干違う部分とかもあるので、そういう所も注意して聴く。そんなことをするので、かなり時間がかかります。

 

次に②。考えてみれば当然ですが、元がバンドの曲などをピアノアレンジした楽譜は無難なアレンジのことが多い。それは多くの人の好みや弾くことの難しさなどを考えられているからです。というわけで、意外性がありません。

 

楽譜を購入

「世界は恋に落ちている」は決して難しい曲ではなく、コード進行もkey:Gを離れることが一度もない安定のトーナリティ。一貫した世界観で、駆け抜けていきます。

今回、楽譜を買ってみようと思った理由は2つです。

1つ目はメロディーラインが何度か聴きながら、これは覚えるのに時間がかかるな、と感じたから。これは直感で、なんとも説明出来ませんが、何回か聴いてもなかなか記憶できない歌のメロディーでした。

2つ目は合間合間にピアノの爽やかなリフが入っていること。あと間奏もピアノソロ。この辺り、耳コピすると結構な時間がかかってしまう。

ということで、久しぶりにフェアリー出版社の楽譜を購入。

f:id:nakajokoichi:20141012204824j:plain

私が中学生の頃から、このデザイン。ぶれないフェアリー社。それこそ中学生の頃はよく買っていました。ピアノアレンジの他にも、弾き語りなどを想定した、歌+伴奏の楽譜もあるとが親切。500円+税。

 

まずはコンビニでこの楽譜をB4からA3へ拡大コピーします。40円 。

f:id:nakajokoichi:20141013211201j:plain

 

コピーした方に、反復や繰り返し記号に分かりやすく印をつけて

f:id:nakajokoichi:20141012210525j:plain

 

ピアノの前に張り付ける

f:id:nakajokoichi:20141012234513j:plain

 

この状態を用意したら、まずは大体どんなもんか弾いてみる。ふんふん、こんなもんか、ああ、意外とここは作者がこだわってる部分だなとか、このメロディーは工夫してあるな、とか色々考えながら大体楽譜通りに弾いてみる。

 

次にどんなアレンジにしてみようか考える。やはり作者が何をこの曲で表現したいのかを踏まえて、私ならそれをこう表現しますよ、というものを弾くべき。そこで、今回はこの曲のフルコーラスのアニメーションを観る。

 

恥ずかしながらはじめ気付かなかったのは、1番と2番では、歌詞の内容の主人公が違うということ。1番では髪の短い子、2番では髪の長い子が1人称になっている。間奏前のCメロも半分ずつ主人公が違う。おお、気づかなかった、ということで、1番と2番では弾き方を変えよう、なんなら弾く場所もかなり変えよう、と考える。楽譜では、サビは1番と2番では同じ楽譜(繰り返し)になっているけれど、こういうところは気をつける、ということを書き込み。

他にも「世界は恋に落ちている」というタイトル通り、最後のピアノは落下するようなフレーズにしているのはわざとだろうな、とか

サビ始まりにしているのは、アニメで印象的に曲を残したいからだろうから、特にサビから始まる必然性はなさそうだな、とか

曲を何度かリピートして、弾いてみて、また聴いてを何度か繰り返すと自分なりの解釈をもとにしてアレンジが固まって来る。

そんなこんなで

この5分弱の曲を弾いて録音するまでの所用時間は、およそ3時間でした。

 

今までの経験から言うと、この3時間はかなり短い方です。もっと時間がかかるのがいつも。時間を節約する大きな力となったのが、楽譜でした。楽譜は自分のアレンジを考え、書き込みができて、歌のメロディーやリフなどの細かい音程まで採譜してくれていて、なんて便利なのか…!!

おそらく楽譜を買わずに取り組んでいたら6時間以上はかかっただろうと考えると、楽譜を買うと時間が買えるのか、と今更ながらに気付きました。

 

楽譜ってすごい。

そんなことを思った3連休でした。