仲条幸一のブログ

仲条が感じたり考えたことを書き連ねるブログ

三島由紀夫『弱法師』を終えて

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ご来場いただいた方、ありがとうございました。

三島由紀夫といえば、昔『金閣寺』を読んだことがあります。

金閣寺』の主人公は、「どもり」のクセがあり、

上手く言葉を話せないという症状を抱えていました。

そして今回の『弱法師』の主人公は、目が見えず、

声に対してやたら敏感に、時に過剰に反応する人でした。

 

三島由紀夫の音に対するこだわりを、

私はアコーディオンで表現する、という想いがありました。

 

演出家というのは、指揮者みたいだな、と感じます。

今回のように、同じ演目を違う演出家により2回連続で上演するというのは、

クラシックの交響曲を、違う指揮者で演奏することに近いものがあって、

見せ方や聴かせ方というのを聴衆に浮き彫りにした、面白い企画だと思いました。

 

小西さんという指揮者のもと、構築されたお芝居は、

とても論理的で、

それなのに感情的で、

単純な共感を許さない所が、私の嗜好ととても合致していました。

なぜ、わざわざ生演奏なのかも、

俊徳登場のシーンで私が舞台上から居なくなり、再度出てくるタイミングも、

私の中で明確な理由をもつことが出来ました。

名指揮者の下で演奏できることはとてもワクワクしたし、勉強にもなりました。

この出会いに感謝したい。

他の出演者の方々も、気さくに、時に変態的に、私と仲良くしてくださいました。

ありがとうございました。

 

***

 

そして今回は、飯田南織さんと再度共演できたこと。

飯田さんは本当に素晴らしい女優さんでいらっしゃって、

舞台中のあれほど長い時間、タッグを組ませて頂くことはとても光栄でした。

どこか触れてはいけないような、それなのに共感してしまうような、お芝居をなさる方。

そのお芝居と私の音楽が、一つの存在に近づいていく快感がありました。

大好きです。

ありがとうございました。

 

 

いじょう!